湊ノ芸術祭に行ってきました。
小雨の降る中、それもいい感じの三国の町とアートさんぽ。
細い路地を歩き、町を眺めてみずみずしさを感じられる丁寧な芸術祭でした。

三国ツウなら「喫茶エルの下」で通じる場所がインフォメーションセンターです。
受付は若い人たちが多くて囲まれてしまってど緊張のシニアン3人(心は誰よりもヤング)でした。

ミッションを渡されました。
このミッションにそって撮影をしてねというもの。ミッションを渡されたからには頑張る人なので、気にしながら歩くことに。この仕掛け面白かったです。

三澤亮介『Zigen[+Beyond]』@氷川神社
彩りのよいカーテンがひらひらと舞う作品。この場所、この開放感をうまく使ったインスタレーションでした。神社に色が入ると目立ちますね。



山ノ影『山の影』@吉野邸
字が小さい…暗くて読めない、たぶんこの行為も作品なのだと前向きシニアたち。石の上に乗せた雰囲気が良かったです。サウンドアートだったらしいのですが聞き漏らしました。



HAKOBI『∞ning/無限ダイニング』@大のや
スナックだった店舗を利用。鏡張りの室内をうまく利用した視覚的な作品でした。来場者の誰もが楽しい系ですが、撮影が難しい。



カサマツ『志倉の放葬』@茶本邸
死後の心象世界を想起させるインスタレーションとパフォーマンスを公開。最初に小さな明かり装置を1個持たせて中に入っていき、文字を読ませる体験型でした。空間作りは弱い印象でしたが作家が年を経たらまた変わるでしょう。死後の世界なのにシニアンたちは若々しい表現を感じちゃいました。



岩堀葉『地霊獣』@みくに園蔵
入ってみたかった盆栽店さんに初来店。こういうきっかけがあると入りやすい。作品の設置場所が奥の奥の、さらに奥でこの動線もしびれます。暗い中にほんのり浮かぶ日本画でした。作品の裏側に香炉がありこの発見も醍醐味です。



柗宮史恵『またたき』@木谷邸
化粧品店とクリーニング店だった店舗を利用。化粧品の棚に物量で攻めてくる作品でした。ひとつひとつもよいけど、この数と並びもいい。店舗だったので入り口の開口部が広く明るく、光の入り具合で作品の陰影が変わります。ふるぼけた店舗に青銅色が映えていました。

宮崎竜成『汽水域の音楽/呼吸する部屋』@内田商会
自転車販売と修理を行っていた店舗そのままが会場。置きっぱなしの部品やポスターの存在がもうアート。モーターや風、光、電気の仕掛けで備品や道具が動きます。リズムや匂いを空間の呼吸と呼んでいるのかしら。



松原ゆう『it’s so sweet?』@内田商会
応接間だったのだろうか、壁紙や照明、置かれている家具に昭和感というか暮らしのあとが見える部屋でした。言葉と刺しゅうをミックスさせた、可愛らしく練られた作品でした。

ここまででざっと巡って1時間半。このあとてくてくと湊ノ食堂(茶ノ下旅館)まで戻り、かわいい女の子たちにおすすめされた特製のエビカレーを食しました。この期間しか食べられないしこの期間しかこの場所入れないとあったらやるでしょ、食べるでしょ。コンセプトはダイニングですしね。芸術祭反芻会をして、三国をあとにしました。



番外編:これもアートに見えちゃうシリーズ。町の存在感が半端ない物ばかりでした。
湊ノ芸術祭2025
https://light-house.llc/minato-artfest/
Instagram minato_artfes
[開催概要]
会期:2025年9月26日(金)〜28日(日)、10月4日(土)、5日(日) 10:00-18:00
会場:福井県坂井市三国町(えちぜん鉄道 三国駅周辺)
受付:三国駅前 喫茶エル1F(福井県坂井市三国町北本町2丁目2-2)
主催:湊ノ芸術祭実行委員会
共催:合同会社LIGHT HOUSE 一般社団法人アーバンデザインセンター坂井
本年度の芸術祭コンセプトは「まちとダイニング」。
ダイニングとは、ただ食事をする場所ではありません。人と人が時間を共にし、会話が生まれ、記憶が育まれる―そんな、日常の中に自然とひらかれた関係の場です。今回の芸術祭では、食べるという行為そのものだけでなく、その周囲に広がるつながりや出来事にも目を向け、アーティストたちが「ダイニング」という場の可能性をさまざまなかたちで表現します。
まちのあちこちには、実際に食を楽しめる空間やイベントも用意されています。歩く、出会う、味わう―そうした体験を重ねるうちに、まちの風景がいつもと少し違って見えてくるかもしれません。
[参加アーティスト]
岩堀葉 @iwahoriyo
カサマツ @kasama_2
HAKOBI @hakobi_hkb
松原ゆう @yuuuuuchan_17
柗宮史恵 @matsumiya_f
三澤亮介 @ryosuke_misawa_53
宮崎竜成 @ryusei.miyazaki
山ノ景 @ya_manoka_ge
[チケット]
作品鑑賞チケット:2000円
三国町在住の方:1000円
高校生以下の方:1000円
未就学児:無料
※当日受付にて現金でご購入も可能です。
[お問い合わせ先]
湊ノ芸術祭実行委員会
