福井・あわらで「蜷川実花 蜷川宏子 二人展」 開幕記念トーク、県内外から200人

企画展「蜷川実花 蜷川宏子 二人展-写真とキルトが生み出す極彩色の世界-」が7月20日、福井県あわら市の金津創作の森(あわら市宮谷)で始まった。

2016年に亡くなった演出家・蜷川幸雄さんの娘で、写真家・映画監督の実花さん、妻でパッチワーク・キルト作家の宏子さんによる展覧会。同施設アートコア内に、写真、コルトン(=透過処理した写真)、キルトタペストリー、キルト小物など、新作を含む約210点を展示する。同館での展示は、実花さんが6年ぶり、宏子さんが初めて。

9時30分から行われた開幕式では、土田ヒロミ館長が「ハレの世界を徹底的に追求している二人の作品が重層的に交差している空間」と同展を紹介。あいさつに立った実花さんは「二人展の話を頂き、何が何でもやりたいと思った。夏休み期間でもあり、多くの方に来ていただけるよう告知に励みたい」と話し、宏子さんは「娘のおかげでこの日を迎えることができた。私にとって一番の親孝行」と笑顔を見せた。

実花さんと宏子さんによるトークイベントもあり、県内外のファンら約200人が詰め掛けた。トークでは「『面白そうだからやってみたい』という欲望の積み重ねで今に至っている」「愛情と感謝を込めて被写体に向き合うことを心掛けている」(実花さん)、「初期の頃は淡い色調の作品が多かったが、自分の心地良さを追い求めるうち今のような作風になった」「海外ですてきな布素材に出会う時が一番楽しい」(宏子さん)などのエピソードが明かされ、来場者は熱心に耳を傾けた。

同館職員で企画担当の中嶋一裕さんによると、同展開催の話が持ち上がったのは2年ほど前だったという。「(東京の)ラフォーレミュージアム原宿で行われた二人展を見て、『この空間を当館で再現したい』と強く思ったのがきっかけ。6年前の企画展で館内の雰囲気をつかんでいただいていたことや、当館で行ったさまざまな展覧会でつながった人たちの支えなど、スムーズに準備を進める要素にも恵まれた」と話す。

開場2時間前からトークイベント入場整理券を待つ列ができるなど、会期初日から多くの来場者でにぎわった。写真愛好者グループ「福井*カメラ女子の会」代表の寺下ユンさんは「写真とキルトとのハーモニーに飲み込まれるような非日常の空間で、花や金魚など被写体の色の重ね方に引かれた。写真を撮りに行きたいという衝動に駆られる展覧会だった」と興奮した表情を見せていた。

会場内は撮影可能で、同館はハッシュタグ「#蜷川実花と宏子の二人展」「#蜷川母娘」「#写真とキルト」「#金津創作の森」でのSNS投稿を呼び掛ける。

開館時間は10時~17時(最終入館は16時30分)。入館料は、一般=800円、高・大生=400円、中学生以下無料。月曜休館(祝日の場合翌日)。9月29日まで。

(記事は福井経済新聞提供)

金津創作の森
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