福井の美術家・橿尾正次さんが作品集 写真家・土田ヒロミさんと、出版記念2人展も

福井県南越前町在住の美術家・橿尾正次さんが7月上旬、「橿尾正次作品集」を出版した。

橿尾さんは1933(昭和8)年、同町生まれ。福井大学卒業後、福井県内で美術教員を務める傍ら越前和紙とワイヤをベースとした立体作品などを発表し、退職後の現在も意欲的に創作活動を行っている。日本、ドイツ、イタリア、デンマークなど国内外の国際美術展での展示経験を持つ。

作品集にはこれまで発表した作品など、図版73点、素描2点を収録。同町出身の写真家・土田ヒロミさんが撮影ディレクションを務めた。

一部の作品は同町内で新たに撮影し、山里の風景に溶け込むようにたたずむ表情を捉えた。「作品を自然の中に置いたらどういう結果をもたらすか。勝つか負けるか、私にとっても挑戦だった」と土田さん。

後半には、金津創作の森(あわら市宮谷)初代館長を務めた故針生一郎さんら評論家による作家論なども収めた。詩人で評論家の故大岡信さんが寄せた「橿尾正次の紙の仮面」という評論には、「(橿尾さんは)自分の作品が文字通り骨と皮でできていることについて触れ、『肉はそぎ落としてしまうのです』と語った」など、橿尾さんとのエピソードが記されている。

編集作業を振り返り、樫尾さんは「軽トラックに作品を乗せ南越前町を回って撮影した。私が想定していない仕上がりとなった写真もあり、土田さんの感性に委ねた作品集でもある」と話す。

出版を記念し、土田さんとのコラボレーション展「うかぶ、ゆれる、そそり立つ、」を県内2カ所で行う。日程と会場は次の通り。アートスペース北の荘(福井市中央1)=7月20日~30日、南条文化会館(南越前町牧谷)=9月3日~12日。いずれも入場無料。

B4判変型、158ページ。金額は7,560円。県内主要書店のほか、ネットショップでも取り扱う。

(記事は福井経済新聞提供)

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