福井・永平寺町で「禅」テーマの芸術展開催へ 芸術家2人、実地制作に挑む

永平寺町で現在、芸術家滞在プログラム「ZEN AIR Eiheiji(ゼン・エアー・永平寺)」の取り組みが進んでいる。

福井県、永平寺町、民間企業などでつくる「ふくいArts Center and Residenceプロジェクト実行委員会」が、「禅の里」をうたう同町の交流人口拡大など目的に企画。「禅の里をアーティストが集うまちに」を掲げ、芸術家が12月まで町内に定住しアート作品を手がけるプログラムで、公募で選出された芸術家が町の文化や歴史などから着想を得た作品を制作、展示する。

委員会は6月から8月にかけ公募を行い、67組の応募から大槻唯我さん(東京都在住)、中村厚子さん(神奈川県在住)を選出した。

大槻さんは今春、東京芸術大博士後期課程を修了した写真家。被写体となる土地を詳細に調査し、死と生を巡る人の営み、風景の背後にある風土などに焦点を当てた作品を手がける。今年5月には、フィンランドで行われた芸術家滞在プログラムにも招かれた。

町内の施設で町の文化について説明を受ける様子

中村さんは石川県生まれの彫刻家で、流木、水、塩などを組み合わせた大型作品やインスタレーション、舞踊をベースにした「身体ドローイング」などを得意とする。瀬戸内国際芸術祭(香川県)、UBEビエンナーレ(山口県)など国内外で展示歴を重ねる。

2人は現在、町内の古民家などに滞在し、地元スタッフの協力を得ながら町内の調査に取り組む。委員会の後藤亜好さんは「2人の熱心な姿に地元の観光ガイドが感激していて、私も、行く先々での優しい笑顔と会話に元気をもらっている。地元の皆さんに支えてもらいながら、プロジェクトを育てていければ」と話す。

委員会は現在、ふるさと納税型クラウドファンディングで運営資金の寄付を募っている。目標金額は100万円。寄付金は滞在場所の改修費、不要品処分費、家具・家電のレンタル費などに充て、成果発表会優待券、活動報告書、特製グッズなどの返礼品を設ける。

クラウドファンディングの締め切りは10月31日23時。

(記事は福井経済新聞提供)

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この記事を書いた人

MORIKAWA Tetsushi(森川徹志)

小学生の頃、親が定期購読していた『暮しの手帖』で雑誌作りの面白さに目覚める。アートに興味を持ったのは、20代の時に関わった情報誌の編集がきっかけ。時代や作家などを問わず幅広く鑑賞するタイプだが、なんとなくの傾向としてデカくて一瞬で「うわっすげえ!」と思える作品が好き。アイドルソングDJ・teckingとしても活動中。

When I was in elementary school, I found it interesting to make a magazine with 'Kurashi no Techo' which my parents subscribed to. I became interested in art when I was an editor in my 20s. I appreciate art works of all ages and artists, but I like large works that surprise me by saying, "Wow, that's amazing!". I am also active as an idol music DJ tecking.