福井出身「MAGO」さん、故郷にギャラリー 作品通し「持続可能な資本主義の構築」呼び掛け

ギャラリー「MAGO GALLERY FUKUI」(福井市中央1)が9月6日、福井駅西の新栄商店街にオープンした。

東京を拠点に活動する芸術家・長坂真護(MAGO)さん(福井市出身)の作品を常設展示・販売するギャラリーで、店舗面積は約50平方メートル。電気電子機器廃棄物(E-waste)を使ったミクストメディア作品「プラスチック化するAbidle」、越前和紙や音源などを組み合わせた「FULL MOON」、グラフィティー作品「NEW」など約30点を展示する。ギャラリーの国内展開は、大阪、滋賀に続き3カ所目。

「プラスチック化するAbidle」と共にカメラに収まる長坂さん

長坂さんは1984(昭和59)年生まれ。科学技術高(下江守町)、文化服装学院(東京都渋谷区)などを経て創作活動を始めた。近年はガーナの首都・アクラ近郊にある「電子機器の墓場」アグボグブロシー地区との交流を深め、現地で採取したE-wasteによる作品制作、作品販売益を基にした現地の学校設立、文化施設開設の活動などを行う。

オープンに合わせトークショーを行い、店主の宮田耕輔さんと約1時間にわたり作品論などを交わした。長坂さんは約30人の聴衆を前に、「人生を懸け、一人でも多くの人を救いたいという思いが創作の源泉。年間600点ほどの作品を製作しているが、それくらいの努力でいいのであれば力を惜しまず手を動かし続けたい」と力を込めた。

「サスティナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)」を提唱する長坂さんは、「2030年までに作品販売で100億円以上を集め、現地に最新鋭のE-waste処理工場を建てる。有害ガスにまみれて処理作業に当たるガーナの人たちを救いたい」という目標に向かう。今年初めに行ったクラウドファンディングでは約3,100万円の支援を受け、エミー賞受賞監督カーン・コンウィザーさんによるドキュメンタリー映画製作のめどもついた。

トークショーを聴いた福井市在住の30代男性は「アートによる問題提起で終わるのでなく、社会が抱える問題を解決する仕組みまで構築していることに感心した。既存のアートのマーケットで戦わず、クラウドファンディングで応援者を募り、自らマーケットを切り開いていくという力強さも感じた」と期待を寄せた。

 営業時間は12時~19時(日曜・祝日は18時まで)。火曜・水曜定休。問い合わせはメール(mago.g.fukui@gmail.com)で受け付ける。

(記事は福井経済新聞提供)

福井市中央1-13-4
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