福井で企画展「皇室と越前松平家の名宝」 明治期の美術工芸160点、国内初公開品も

企画展「皇室と越前松平家の名宝 -明治美術のきらめき-」が現在、福井市立郷土歴史博物館(福井市宝永3)で行われている。

明治維新150年に当たり福井県が主催する「幕末明治福井150年博」の一環として、福井国体・全国障害者スポーツ大会期間に合わせ同館が企画した。明治政府が1890(明治23)年に創設した帝室技芸員制度など明治期の日本美術界に焦点を当て、福井出身の画家・島田墨仙、彫刻家・山田鬼斎らの作品を含む美術工芸品約160点を展示する。帝室技芸員による作品が福井で公開されるのは今回が初めて。

開催を知らせる看板。担当学芸員は「国体期間中、県外の国体選手や関係者の来館もありにぎわった」と振り返る

館内2つの展示室に、皇室と越前松平家ゆかりの所蔵品、明治時代の内国勧業博覧会、万国博覧会の出品作などを並べる。鹿鳴館(ろくめいかん)時代に女性が着用したドレスなどの衣装もあり、会場の一角にある「前田侯爵家伝来 マント・ド・クール(=女性用大礼服)」が国内で一般公開されるのは初という。

国内初公開の礼服「マント・ド・クール」。長さ約2メートルのトレーン(=裾)が特徴で、明治20年ごろの製作と推定されるという

お祝い事の際に作られる皇室の引き出物「ボンボニエール」100点を大公開。中に金平糖を入れるのがならわし。

学芸員の佐々木佳美さんは「当館には越前松平家関連の所蔵品が多く、幕末に活躍した松平春嶽は華族の重鎮として皇室を支えた経歴もある。めったに見られない『名宝』をそろえた展覧会で、日本が新しい夜明けを迎えた時代の空気を感じてもらえれば」と呼び掛ける。

関連イベントとして、担当学芸員によるギャラリートーク(10月20日・28日、11月3日・4日、各日14時~)、愛知学院大(愛知県日進市)非常勤講師・久保正明さんによる講演会「松平慶永の『明治』」(10月21日14時~)などを予定する。いずれも観覧券が必要。

「皇室と越前松平家の名宝 -明治美術のきらめき-」
開館時間は9時~19時(入館は18時30分まで)。入場料は、一般=700円、高大生=500円、中学生以下無料。11月4日まで。

(記事は福井経済新聞提供)

福井市立郷土歴史博物館
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