12月12日、曇り空の福井らしいお天気と10度程度の気温の中、「サンデーモーニング 福井の建築を語ろうトークツアー ~福井市美術館・福井県立図書館編~」を開催しました。
福井県内にある建築をめぐり、設計した建築家の考えを掘り下げ、建築への興味を共有しようという試みです。初回は、福井県立図書館(槙文彦:設計 2003年)と福井市美術館(黒川紀章:設計 1997年)を題材にしました。
この日のコースは、福井県立図書館で集合、庭や館内を周遊し、福井市美術館へ。福井市美術館では石堂館長にまず案内をしていただき、後半は3階のホールで名津井建築士による建築の見方をお話ししていだきました。その後2階のカフェスペースへ移動し、図書館の資料と設計図(閲覧はこの日のみ、撮影不可、参加者特典の極秘資料)、福井市美術館の建築の様子がわかる写真集(村中建設さん発行)を閲覧、時間のある方は、石堂館長の常設展示トークに参加いただきました。お土産は、森のオーブンさんの手作りクッキーです。
参加者の方は、建築好きな方、建築関係者の方、美術館に関心のある方、建築のことを楽しみたいなというファンの方など総勢16名ほど。
福井県立図書館は、建物もさることながら、庭にも注目してほしいエリアです。
歩いてみるとわかりますが、謎の文字、謎の丘陵、謎のベンチなどいろいろ見つけることができます。
私たちが下見の際に庭の様子に気づき「これは何だろう、どういう意味だろう」と不思議に思い、図書館関係者に尋ねても明確な答えを得られず。県立図書館の建物に関する資料はあれども、庭の説明や設計図はありません。そこで思い切って槇総合計画事務所にお話を向けたところ、とても丁寧なご返答をいただきました。なんとなんと、知の集積、図書館という場をモチーフに、ロマンあふれる設計意図だったのです。参加した人だけに伝えられる庭のお話、次の機会をお待ちください。
福井市美術館では、館長自ら建築ガイドをしていただき、この日にしか入れない場所も見せていただきました。屋上、めったに点灯できない間接照明、地下のボイラー室など、盛りだくさん。これ以上はお伝え出来ませんが、美術館にとって卓球台と洗濯機は重要なアイテムでした。
世界の建築巡りをした名津井建築士のお話は興味深いものばかり。スイスのある美術館、壁と光の構造のこと、目地、槙建築と黒川建築の見方、近年の図書館デザインのことなどなど。名津井トークだけでもこの日はよかったかもしれないくらいでした。
かなりの時間オーバーではありましたが、たぶんこの先、あの情報量を得られるのはこの日の参加者のみでしょう。進行に難ありで申し訳ございませんでした。粘り強く興味深く参加してくださった方に心より感謝申し上げます。
カウベルのアート事業「芸術専門楽群」では建築・建築家好きを集まってあれこれ話し合う場をこれからも持ちたいと企画中です。第二弾、次の物件はいかに!? お待ちください!