平木コレクション「歌川広重の世界」~保永堂版東海道五十三次と江戸の四季展

福井市美術館(福井市下馬3)で現在、企画展「平木コレクション『歌川広重の世界』~保永堂版東海道五十三次と江戸の四季展」が行われている。

広重の「名所江戸百景『亀戸梅屋舗』」と、ゴッホが模写した「梅の開花」複製画とを比較展示するコーナーも

江戸時代後期に活躍した浮世絵画家・歌川広重をテーマに据える同展。公益財団法人平木浮世絵財団(東京都江東区)の「平木コレクション」から、保永堂版「東海道五十三次」全作品や「名所江戸百景」など計約150点を展示する。

保永堂版とは本の初版に当たる「初摺(しょず)り」を指す。担当学芸員の河野泰久さんは「初摺りは発色が鮮やかで、人物の表情や風景などがはっきり刷られているのが特徴。広重の絵には(舞台となった)土地への想像力を働かせ、現地に行ったような気にさせる力がある」と話す。

展示室では「東海道五十三次」初摺りとその後の重版とを並べ、絵柄や構図などの違いを比べられるような構成で展開する。当時の福井の様子をしのばせる、若狭湾や敦賀の様子などを描いた浮世絵も合わせて展示する。

「よく見ると右下に魚の桶がある。魚屋さんの目線の絵かもしれない」と河野学芸員。ギャラリートークでは、ちょっとした見方も教えてくれる

河野さんは「にぎわいを感じる宿場町の様子、静けさを想像させる雪の場面など、広重の絵は見ていて飽きない。当時、浮世絵はふすまに貼られて親しまれており、広重の作品は風景画や旅の思い出としても人気だったのでは」と解説する。

関連イベントとして、福井市出身の染色家・玉村咏さんと学芸員とのトークイベント(8月18日14時~)、福井テレビの井上愛梨アナによる絵本読み聞かせ(同19日14時~)、学芸員による作品解説会(同19日・26日、各日14時~)などを行う。いずれも観覧券が必要。

開館時間は9時~17時15分(入館は16時45分まで)。料金は、一般=1,200円、高・大生=800円、小・中生=500円。9月2日まで。詳細は 福井市美術館

福井市美術館

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SAITO Riko

SAITO Riko(齊藤理子)

幼い頃から絵が好き、漫画好き、デザイン好き。描く以外の選択肢で美術に携わる道を模索し、企画立案・運営・批評の世界があることを知る。現代美術に興味を持ち、同時代を生きる作家との交流を図る。といっても現代に限らず古典、遺跡、建築など広く浅くかじってしまう美術ヲタク。気になる展覧会や作家がいれば国内外問わずに出かけてしまう。