店を出すときは「さやかさんにお願いしよう」と決めていました。-オーナー・北野勝己さん

鯖江のイタリアンレストラン「がった・ね~ら」さんの看板、切り絵だとご存じでしたか? 文字も猫もぜんぶ、切り絵なんです。作ったのは山橋(旧姓・辻)さやかさん。依頼の経緯についてオーナーの北野勝己さんにお話を伺いました。

-猫の看板がとても印象に残ります。制作した山橋さやかさんとの出会いはどのようなものだったのですか?

出会いも何も、さやかさんの兄が地元・越前市の幼馴染で、よく知っている妹さんなんです。僕の妹とさやかさんも仲が良くて、兄妹同士での交流が昔からありました。辻家(山橋さやかさんの旧姓)は兄・妹・弟がいて、みんながみんな絵や工作が上手でしたね。さやかさんが、僕の妹の似顔絵を描いていて見せてもらったんです。これまたとても上手かった。

-お店を出されるときに依頼したのはなぜですか?

店を出す前から「店を出すときは、さやかさんにお願いしよう」と決めていました。もともと絵がうまいことは知っていたし、迷いはなかったですね。僕は地元の縁やつながりを大事したくて。切り絵に興味があったわけでもなく、ただただ、さやかさんと仕事をしたかったということかな。

―実際にどんな注文をされたのですか?

黒猫を入れてほしいと伝えました。僕が当時買っていた猫なんです。店名「GATTA NERA(がった・ね~ら)」は、イタリア語で黒猫という意味なんです。猫をモチーフにさやかさんがいろいろ案を持ってきてくれました。その場ですぐに描いて出してくるスピーディさもありました。かわいい猫、スタイリッシュな猫、イタリア料理だから長靴の形から猫が出ているのはどうか、というものも。僕の話を聞いて、彼女が切り絵で仕上げてきた、という流れかな。

後ろの絵は 「いちごとかすみ草」2010年。オーナー北野さんのお母さんがオーダーした作品で開店以来飾られています。 撮影/小林照美

-店内にも数点飾っていますね。

オープン当初はさやかさんの切り絵を見に来られた方もいました。今はお客様はこの絵が切り絵だと気づいてないかもしれませんね。そうそう、うちのレストランでアルバイトをしていた男の子が、さやかさんの切り絵を見て「自分もしたい!」と独学で学び、個展をするほどの腕前になりました。彼は料理の腕じゃなくて切り絵の腕を上げて旅立ちましたね(笑)。

-作家を輩出したレストランなのですね。看板制作にあたり、人との繋がりを大切にしている北野さんの気持ちが伝わってきました。ありがとうございました。

リストランテ GATTA NERA(がった・ね~ら)
鯖江市幸町2-505-2
0778-53-1151
営業時間 11:00~14:00、18:00~21:00(20:30LO)
定休日 月曜

がったねーら(GATTA NERA)

本インタビューは、月刊fu「或る場所のアート」のはみだし版です。本誌も読んでね☆ 

月刊fu(ふ~ぽ)
https://fupo.jp/article/?category=culture

この記事を書いた人

SAITO Riko(齊藤理子)

幼い頃から絵が好き、漫画好き、デザイン好き。描く以外の選択肢で美術に携わる道を模索し、企画立案・運営・批評の世界があることを知る。現代美術に興味を持ち、同時代を生きる作家との交流を図る。といっても現代に限らず古典、遺跡、建築など広く浅くかじってしまう美術ヲタク。気になる展覧会や作家がいれば国内外問わずに出かけてしまう。

I have liked drawing since I was young, manga and design. I tried to find a way to be involved in art other than painting, and found that there were ways to be involved in planning, management and criticism. I am interested in modern art and try to interact with contemporary artists. I am an art otaku, however, it is not limited to modern art. I appreciate widely and shallowly in classical literature, remains, and architecture. If there is an exhibition or an artist that interests me, I go anywhere in and outside of Japan.